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内田書店 本店

内田書店 本店

登録日:2026年04月16日

漆喰の看板が睨みを利かす。柳田國男が歩いた、遠野130年の知のインフラ

遠野の街中を歩いていると、突如としてどっしりとしたお屋敷のような建物が現れ、思わず足が止まる。

見上げれば、黒地に銀の文字で、右から左へ〈内田商店〉と刻まれた立派な漆喰の特大看板。

古い建築好きなら、その放つ重厚なオーラに「おっ」と声が漏れてしまうはずだ。

一見すると近寄りがたいほどの凄みがあるが、ここは遠野の街で唯一営業を続ける「現役の街の本屋」である。

内田書店 本店(岩手)

創業はなんと1895年(明治28年)。『遠野物語』で知られるあの柳田國男が、

遠野滞在中にここで原稿用紙を買い求めていたというのだから、その歴史の地層の厚さにはクラクラしてくる。

しかし、威圧感のある外観とは裏腹に、店内に一歩足を踏み入れると、そこには明るく、いい意味で「普通の町の本屋」の空気が流れている。

現在お店を切り盛りするのは、印刷会社からUターンして家業を継いだという、どこかシュールでのほほんとした空気を纏う店主。2021年に内装をリニューアルし、誰もが立ち寄りやすい日常の空間へとアップデートされている。

さらにこの物件の面白いところは、二階に設けられた広大なフリースペースの存在だ。

単なる読書スペースにとどまらず、出版記念のトークイベントから、子ども向けの「プログラミングコース」、さらには「遠野書店怪談会」なんていうエッジの効いた催しまでが日常的に行われている。

内田書店 本店(岩手)

130年前の漆喰の看板の下で、地元の子どもたちが本を読み、最先端の知識に触れ、時には怪談に震える。

ここは単なるノスタルジーを消費する場所ではなく、街の文化を今この瞬間も更新し続けている生きた知のインフラだ。

遠野という街の豊かさは、こんな本屋がどっしりと根を張っているからこそ保たれているのかもしれない。

画像元:内田書店WEBサイトより引用

写真

住所
岩手県遠野市中央通り3−11

最寄駅
JR釜石線 遠野駅より徒歩約6分

定休日
不定休

ジャンル
新刊・フリースペース

公式サイト
Webサイトを見る


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