盛高書店
登録日:2026年04月20日
前の持ち主の人生ごと引き継ぐ。南大通の明るく開かれた「記憶の集積地」
盛岡バスセンターから歩いて3分ほど。南大通の通り沿いに、ガラス張りで中がよく見通せる、なんとも風通しの良い古本屋がある。
古書店というと、薄暗い空間で店主が奥に鎮座している……という勝手な偏見を持たれがちだが、
この「盛高書店」はそんな心理的ハードルを軽々と越えてくる、非常に明るくオープンな空間だ。
店内に足を踏み入れると、ジャンルレスに並ぶ古書はもちろんのこと、
どこか懐かしいレトロ雑貨やアナログレコードがごく自然に同居している。

店先には100円均一の気軽な本も並んでおり、肴町や八幡界隈を散歩する人々が、
まるでコンビニに立ち寄るような感覚でふらっと吸い込まれていく。
この雑多でいてどこか温かいラインナップには、明確な理由がある。
実はこちらの店舗、店頭での古本買取だけでなく、転居や実家の整理に伴う「家財の買い取り」も引き受けているのだ。
つまり、ここに並んでいる本や雑貨たちは、かつて岩手のどこかの家で、誰かの生活を密かに彩っていた「遺されたもの」たち。
単なる記号的な中古品ではなく、前の持ち主の趣味趣向や人生そのものが、この空間にそのまま引き継がれていると言っていい。
綺麗に整頓・キュレーションされたセレクトショップも悪くないが、
誰かの記憶や生活の地層がごちゃ混ぜになったこの空間には、リアルな宝探しのような抗いがたい引力がある。
盛岡の街歩きの途中に、見知らぬ誰かの人生の欠片を掘り起こすような、そんな寄り道を楽しんでほしい。
(画像元:盛高書店インタグラムアカウントより引用)