県庁通りの雑居ビルに浮かぶ「まちの孤島」。こけしと活字が並ぶ、静かなる避難所

福島駅から歩いて10分ほど。県庁通り沿いに建つ、眼鏡店や飲食店、レコード店などがひしめき合う「ヤブウチビル」の階段を2階へと上る。

扉を開けると、そこには福島の街のノイズから完全に切り離された、静かで温かな空間が広がっている。「本と喫茶 コトウ」だ。

本と喫茶コトウ(福島)

店名の「コトウ」には、店主の名前だけでなく「陸の孤島」という意味が込められているという。

元・県庁職員という経歴を持つ店主が作り上げたのは、ただモノを消費するためだけの場所ではなく、日常の喧騒から離れて自分だけの静かな時間を過ごすための「避難所」のような空間だ。

本と喫茶コトウ(福島)

店内を見渡すと、新刊と古書がシームレスに混ざり合う棚の随所に、なぜか東北の「こけし」たちが鎮座し、こちらを静かに見つめている。

この少しシュールで愛らしいノイズがたまらない。選書の基準は「今の世の中に必要だと思うもの」。

単なるベストセラーの羅列ではなく、確かな芯と体温を感じるラインナップが、訪れる者の好奇心を静かに、そして深く刺激してくる。

本と喫茶コトウ(福島)

店の奥にはカフェスペースも併設されており、手に入れたばかりの未知の一冊とコーヒーの香りに、そのままどっぷりと沈み込むことができる。

予定調和なタイパ重視の休日に息苦しさを感じたなら、このビルの2階に浮かぶ小さな孤島へ漂着してみてほしい。

(画像元:暮らしとおしゃれの編集室本と喫茶コトウインスタグラム より引用)